いじめの定義
「いじめ」とは子ども等に対して,同じ学校に所属するなどの人的関係にある他の子ども等が行う心理的または物理的な攻撃を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって,当該行為の対象となった生徒等が心身の苦痛を感じているものをいいます。
※かつての定義のように,「自分よりも弱い者に対して一方的に」,「継続的に」,「深刻な苦痛」などの要素は含まれません。
いじめに対する本校の基本的な考え方
いじめは人間の尊厳を脅かし,人権を侵害するものであり,人間として決して「許されない行為」です。子どもたちをいじめから守るためには,次のように理解することが重要だと考えます。
- いじめは,どの子どもにも,いつでも,どこでも起こりうるものであること
- いじめは,見ようとしなければ見えないこと
- いじめは,加害者も,被害者も,両方経験する場合があること
- いじめは,加害者と被害者の関係だけでなく,周りではやし立てる子ども,見て見ぬふりをする子どもの存在など,集団全体にかかわる問題であること
- いじめは,いじめられる子どもにも原因や責任がある,との考え方では解決しないこと
本校では,以上のような理解に立ち,次のことに取り組みます。
- 子どもと子ども,子どもと教職員,保護者と教職員の信頼関係を深め,いじめの未然防止に努めます。
- 日ごろから子どもの人間関係を把握し,ささいな変化やわずかな兆候を見逃さずに,いじめの早期発見に努めます。
- いじめが起きた際には,いじめを受けた子どもや保護者の心情に寄り添いつつ,いじめた子どもに心からの反省を促し,いじめを受けた子どもが安心して学校生活が送れるようになるまで支援に努めます。
いじめを未然に防止するために
家庭や地域と連携した道徳教育による道徳性の涵養
- 道徳の授業を保護者や地域の方に公開したり,学習内容を通信でお知らせしたりするなどして,情報提供に努めます。
- PTAの学級懇談や学校評議員会などにおいて,子どもの生活状況や家庭でのしつけについて話題にするなど,家庭や地域と連携して道徳教育を推進します。
異年齢や他校との交流活動などによる豊かな心の育成
附属四校園との交流活動や縦割りによる活動(新飛翔の頂杯,合唱コンクール等),生徒会活動,部活動などの異年齢集団での活動により,他者を思いやったり,尊重したりす心を育てます。
体験活動を通した共感的な人間関係の構築
自分と友だちの違いやよさに気付き,協力して目標を達成する喜びを味わうことができるよう,宿泊体験学習,職場体験活動,学習旅行,部活動などの充実を図ります。
生徒が輝く授業づくりの推進
子ども一人一人が,「わかった」「できた」という満足感や達成感を味わうことができるよう,全ての子どもが活躍し,自分の進歩や成長を実感できる「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を進めます。
情報モラル教育の推進
SNSなどの普及状況や使用状況等を把握し,生徒の実態に応じた情報モラル教育を計画的に行います。
いじめを早期に発見するために
子どもとのコミュニケーションを深め,信頼関係を構築するとともに,複数の教職員による観察などにより,子どもの小さな変化や子どもが発するサイン等を見逃さないように努めます。
全職員による情報共有
- 「学校いじめ防止基本方針」について全職員が共通理解した上で,共通実践を重ね早期発見に努めます。
- 職員会議や学年部会,生徒指導部会等において,情報の共有や対策の検討をします。
- 校長や副校長,教頭と連絡や協議を密にとり,全校体制で迅速な対応や指導に当たります。
学校生活アンケートと二者面談の実施
毎月1回学校生活アンケートを実施します。7月,12月,2月は,アンケートを家庭に持ち帰って保護者と話し合いながら記入する方法で実施します。長期休業中及びその前後には三者面談や二者面談を実施し,学校生活等に関する悩みや不安などを聞き取ります。
相談窓口の周知
学級担任以外にも,学年主任,教頭,生徒指導主事,教育相談担当が生徒や保護者の相談窓口となります。
いじめの防止等の対策のための組織の設置
- 日常の取組については,校長,副校長,教頭,生徒指導主事,教育相談担当,学年主任で協議します。
(基本方針や年間計画の策定,見直しのほか,いじめ防止に向けた取組状況など) - 重大事案が生じた場合は,上記の職員に,学校評議員,PTA会長を加えた「秋田大学教育文化学部附属中学校いじめ対策委員会」を組織し,迅速かつ的確な対応に当たります。
いじめについて組織的に対応するために
学級担任と支援チームの連携により,組織的に対応します。対応に当たっては,いじめを受けた子どもや保護者の心情に寄り添うとともに,いじめた子どもに対しては,毅然とした指導により心からの反省を促します。また,いじめた子ども,いじめを受けた子ども双方の保護者に,指導内容を含め,適切に情報提供を行いながら,双方の保護者の協力を得て,いじめの根本的な解決を図ります。
対応策の検討と役割分担
「いじめ防止対策委員会」で協議し,各教職員が担うべき役割分担を決めます。
迅速な実態把握と適切な指導・支援
- いじめた子ども,いじめを受けた子ども双方から聞き取った内容に基づいて,事実関係を明らかにし,状況を正確に把握します。
- いじめを受けた子ども及び保護者の心情に寄り添い,心のケアに最優先で取り組みます。
- いじめを受けた子どもの保護者に対して対応の方針を説明し,了承を得た上で対応します。
- いじめた子どもに対しても丁寧に心情を聞き取り,心からの反省を促します。
- いじめた子どもの保護者に対し,把握できたいじめの事実関係について正確に説明します。
- いじめた子ども,いじめを受けた子ども双方の保護者と協議しながら,子どもが安心して学校生活が送れるようになるまで支援を継続します。
スクールカウンセラー,関係諸機関(医療機関や警察等)との連携,調整
- 状況に応じて,スクールカウンセラーを活用し,教育相談体制を強化します。
- 状況に応じて,関係機関(警察署,法務局,大学等)と連携を図ります。
- 犯罪行為と思われる事案の場合には,大学及び所轄警察署等と連携して対処します。
重大事態への対処(重大事案とは,次のような場合をいいます)
重大事案については,次のような対処を基本とします。
- 重大事案が発生した旨を,大学に速やかに報告します。
- 大学と協議の上で,当該事案に対処する組織を設置します。
- 上記組織を中心として,事実関係を明確にするための調査を実施します。
- 上記調査結果については,いじめを受けた生徒・保護者に対して,事実関係その他の必要な情報を適切に提供し,必要な指導や支援を迅速に実施します。
校内研修について
- 全教職員が生徒の状況を共通理解するため,必要に応じて定例職員会議や打合せ等において生徒の実態を報告する機会を設定します。
- 年度当初に生徒指導・いじめ等についての教職員研修会を実施し,いじめの未然防止について共通理解を図ります。
年間指導計画
通年
- 全教育活動を通じた道徳教育及び特別活動の充実
- 生徒指導の三機能(自己決定,自己存在感,共感的人間関係)を意識した授業実践の推進
- アンケートや通報等により重大事案が発覚した場合は,拡大いじめ防止・不登校対策委員会を開催し,いじめに対する迅速な対応を図る。
- 月一回学校生活に関するアンケート(随時臨時いじめ防止対策委員会)
4月
- 生徒を語る会の開催(教職員参加,①いじめに関わる年度当初の方針の確認 ②心配な生徒の共通理解)
- いじめ防止についての学級指導(担任から生徒へ)
- 年度当初のPTAの機会をとらえて,いじめ防止に関する学校方針の説明(副校長から保護者へ)
- 第1回(拡大)いじめ防止・不登校対策委員会の開催(①いじめに関わる年度当初の方針の確認 ②該当生徒の状況把握)
5月
生徒総会におけるいじめを許さない決意と取組
6月
いじめ防止・不登校対策校内研修会の開催
夏季休業
保護者と担任の二者面談(教育相談)
9月
第2回いじめ防止・不登校対策委員会の開催(①該当生徒の状況把握 ②組織体制の検討)
10月
生徒総会におけるこれまでのいじめを許さない取組の振り返りと改善策検討
11月
第3回いじめ防止・不登校対策委員会の開催(①該当生徒の状況把握 ②組織体制の検討)
冬季休業
保護者と担任の二者面談(教育相談)
2月
第4回いじめ防止・不登校対策委員会の開催(①該当生徒の状況把握 ②年度末のまとめ)
3月
「いじめ状況調査」の実施(担任が当年度の学級の実態を振り返って回答し,生徒指導主事が全校分を取りまとめて教頭に報告)