Akita University's affiliated school

秋田大学教育文化学部附属中学校

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秋田大学教育文化学部附属中学校

ごあいさつ

外池智校長

皆様、こんにちは。本校校長の外池智(とのいけ さとし)です。一昨年3月まで附属小学校において校長として3年間勤務しておりましたが、昨年度からは附属中学校校長として勤務しております。ちなみに大学・大学院では、社会科教育学、歴史教育学、平和教育学等を専門としています。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、この附属中学校は1947(昭和22)年創立ですので、今年で79年を迎える歴史ある学校です。秋田市のみならず秋田県においても名実ともに代表される中心校です。卒業生は、県内はもとより全国、海外においても多数活躍しております。さらに、皆さんご存じ通り、今日、全国学力・学習状況調査においてトップレベルを走り続けている“秋田の学び”は全国から注目されており、秋田の教育を学びに他県から教員が派遣されてくるほどです。そして、その中核的役割を担っているのが本校です。これまでの本校の教育実践に自信と誇りを持ち、そしてそれを批判的に検討していく事で、“これから”の教育を創造し実践して参ります。特に、その実践研究の中心に当たる公開研究会については、今年は春季公開研究会を6月6日(金)、秋季公開研究会を11月14日(金)に実施いたします。今年度は、3年計画の新研究の2年目で、研究主題は「豊かに学ぶ」、研究副題は「共に迫る教科の本質」です。次の指導要領の議論が進んでおりますが、ここにおいて、改めて“教科の本質”とは何かが“授業”という形で提起されます。どうぞ楽しみにしてください。

また、2025年度第1学期始業式挨拶として、次のようなお話をしました。実は一昨年3月まで勤務した附属小学校でのHPの校長挨拶でも掲載させていただきました。私は、子ども達にとって一生に通じる力として重視しているので、ここに改めて掲載させていただきます。

◆◇◆

皆さん、おはようございます!

 さあ、今日から新しい年度のスタートです。新たな気持ちで、新年度、新学期を始めましょう!

さて、新年度、新学期が始まるに当たって、私から一つお話しをしたいと思います。そうです。それは、もうお馴染み、“準備力”のお話です。しかし、私はとても大切なお話だと思いますので、またお話します。中学生バージョンの“準備力”です。

さて、皆さんは、今日から1学年ずつ進級し、新しいスタートを切りました。クラス替えもしました。これからの学習、大丈夫かな?新しいクラスでうまくやっていけるかな?先行きが分からない時は不安になりますね。でも、そうした不安な気持ちを打ち消すのは、“準備する事”、“備える事”です。先がどうなるかわからない時だからこそ、準備、備えをすると、心構えができますね。「備えあれば患いなし」です。

そして、そうした“準備力”を付けるためには、私は4つの力が必要だと思います。

まず1つ目は、気力、やる気です。準備をしようとする気持ちですね。皆さんは、ちゃんと準備しようとする気持ちを持っていますか?まずはこれが肝心です。まあなんとかなるだろう、どうにかなるだろうではなくて、まずはしっかりと準備しようとする気持ち、心構えをしっかりと持ちましょう。

2つ目は、洞察力です。何のために準備するのか、そのために何を準備するのか?先を見通す力です。明日の準備なのか、1か月後の準備なのか、はたまた1年後の準備なのか、ひいては一生のための準備なのか、いつの、なんのための準備なのか?この洞察力が結構大切です。でも、一生懸命考えても分からない時は、どんどん人を頼りましょう。先生やお友達、保護者の方等に、どんどん尋ねてみてください。ただし、まず最初は自分で考えてみることが大切です。自分の未来を自分で考える力を付けましょう。

3つ目は、実行力です。実際に準備をする行動力ですね。ただ単に考えただけでなく、思いついただけでなく、実際に準備しないと意味がありません。しっかりと“準備する” といった行動をとってください。

そして、最後の4つ目は、継続力です。毎日、毎日、1歩ずつ準備を続けましょう。そうすれば、やがてそれは習慣になり、自分自身のルーティーンになります。“準備する”という習慣が身につくことになります。

こうした“準備力”は、とりわけこの1学期には大切です。しかし、そればかりではなく、私は一生役に立つ力だと思います。先行き不透明なこれからの時代を生きるため、身に付けなくてはいけない、重要な力だと思います。あせらなくてもよいので、少しずつ“準備力”を身に付けましょう。こうした“準備”を日々重ねつつ、しっかりとした学校生活を送ってください。

私から以上です。

◆◇◆

以上が、今年度第1学期の始業式での挨拶です。秋田県はキャリア教育を大変重視しておりますが、そのキャリア教育では基礎的・汎用的能力として次の4つの領域を挙げています。すなわち、「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」です。私は、この“準備力”は、特に「自己理解・自己管理能力」と「キャリアプランニング能力」に深く関わる力だと思います。準備する対象は、明日の授業であったり、1カ月先のことであったり、もっと先の将来のことかもしれません。しかし、その時間的スケールを見通せる力も、この“準備力”には必要となります。

いずれにしても、子ども達には、失敗を恐れず、むしろ積極的に失敗から学びながら“準備力”を身に付けていってほしいものです。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

秋田大学教育文化学部附属中学校

校長  外池 智